2008年7月25日金曜日

核(kernel)について

Chapter2 の中で「核(カーネル)」とは何なのかという議論がありましたが、先ほど村山さんから明快な説明があったのでのせておきます。



前川研の村山航です。前回に「核 (kernel)とは何か」という議論がありました
が,繁枡先生のベイズ本に書いてありました。

「尤度や確率密度関数において,θ(パラメタ)の関数の部分のみを取り出したものを,尤度や確率密度関数の核 (kernel) と呼ぶ」

とのことです。ベイズでは,定数項はとりあえず無視して,事後分布が何に「比例しているか」を考えるのが通常ですが,この定数項を無視した部分を,ベイズ統計の文脈では「核」と呼ぶようです。なので,名前はいかめしいですが,そんなに難しく考える必要はなさそうです。



平均θ(パラメタ)、分散c(定数)の正規分布:p(y|θ)例に核を示します。



l(θ|y)はθについての尤度です。
この尤度(θについての関数)から定数項、比例定数を除いたものがこの尤度の核です。
上記の式では最後の行の式が尤度の核です。

これからわかるように、ベイズ統計の計算で僕たちが中心に扱っているものは核です。

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